不動産屋の選び方!(賃貸編)おススメ物件は本当に良い物件!?

不動産

生活していく上で必要な「衣食住」。その中の一つにあたるのが「住」の不動産です。そんな人々の生活にとって切っても切れない不動産を選ぶ際に訪れるのが「不動産屋」です。

最近は少し緩和されていますが、「不動産屋」と聞くと「うさん臭い」「怪しい」など良くないイメージを持たれている方も多いと思います。

では、どのように信頼できる不動産屋を選べば良いのでしょうか?

今回は現役の不動産営業マンの観点から、不動産業界の裏事情を赤裸々に綴ると共に、お部屋探し時の不動産屋の選び方を見ていきます。

■ 不動産屋は利益優先!?

不動産屋は会社であったり、個人事業主であったりします。お店の場所を借りていたらその家賃や、従業員の給料などを支払いながら会社の利益を出して行かなければなりません。

これはどんな業界でも共通ですので、お客様の利益が不動産屋の利益という「win-win(ウィンーウィン)」の関係性であれば何も問題はないのですが、専門性の高い業界という事もあり、不動産屋の利益に比重が傾く事があります。

私はそうした業界の傾向が「うさん臭い」「怪しい」に繋がっているのではないかと思います。

□ お部屋探し時の不動産屋の利益は?

お部屋探し時の不動産屋の利益には下記の項目があります。

【仲介手数料】

国土交通省が定めている不動産の賃貸借契約を仲介した際の報酬です。上限が家賃の1ヶ月分と決まっております。

また最近は「仲介手数料半月分」を前面にだして集客する業者が増えているなど、不動産業者としては余り報酬が見込めません。

例: 家賃が50,000円の場合

不動産屋の報酬:50,000円(※半月分の業者は25,000円)

【AD、広告料 】

賃貸借契約を締結した際、貸主(物件のオーナー)より支払われる報酬です。広告料という名目になる事が御座いますが、実際に広告を出したかどうかは関係ありません。

また、貸主が「早く入居を決めたい」「中々入居が決まらず焦っている」と考えている場合、この報酬は家賃の2ヶ月分、3ヶ月分と増える傾向があります。

例:家賃が50,000円、AD(広告料)3ヶ月分の場合

不動産屋の報酬:150,000円

【契約の付帯サービス】

賃貸借契約に付帯する火災保険、インターネット・ウォーターサーバ等契約紹介料、消毒料などの付帯サービス料です。

一つ一つの単価は少ないですが、不動産屋にとって大事な収益です。業者によってはこの収益が営業マンの歩合になっていたりもします。

お部屋を借りて生活していく上で必要のあるものであれば良いのですが、
不要なものはしっかりと断るようにしましょう。

生活していく中で毎月コストの必要なサービスもありますので、注意が必要です。また、消毒料も10,000円以上かかるものもありますが、実際の作業は営業マンが市販の1,000円程のスプレー式の薬剤を散布するだけという事も多いです。

引っ越しの際に自分でする方が良いかと思います。

【賃貸物件の管理料、更新料】

不動産屋の業務に賃貸不動産の管理というものがあります。一棟アパートやマンションを管理する業務の事で、家賃の集金、オーナーへの送金、建物共用部の清掃をして、家賃送金総額の3~8%が管理料として対価報酬となるというものです。その他に賃貸借契約の更新時に必要となる「更新料」も不動産屋の収益となります。

これらの収益は一度マンションやアパートを丸ごと管理をする契約をしてしまえば、毎月コンスタントに報酬をもらえる為、不動産屋にとって大切な収益源です。

賃貸借契約は引っ越しシーズンに契約が立て込むなど、時期での浮き沈みが激しくなります。一方、この管理料はコンスタントに収益をあげやすく計算しやすい為、不動産屋はこのオーナーとの管理契約を守りたいという思いを持っています。

管理契約解約の理由としては「空室が多い」がダントツです。貸主となる物件オーナーにとって「空室が多い」=「家賃収益が少ない」となりますので、入居付けをしっかりしてくれる不動産業者に任せようという心理が働くのです。

□ 不動産屋のおススメ物件とは!?

あくまで私の見解ですが、ほとんどの不動産屋が「お客様にお勧め物件」<「収益の多い物件」という考え方です。

【AD・広告料が多い物件】

仲介手数料は上限が決まっています。家賃5万円の物件であれば、その家賃分の5万円が上限額となります。

対してAD・広告料は上限が決まっておりません。物件によっては家賃の4、5ヶ月分という話も耳にした事があります。仮に5ヶ月分であれば家賃5万円の物件で25万円が不動産屋の報酬となるのです。

不動産屋、また歩合で給与が決まる営業マンはやはり、このAD・広告料の多い物件を決めたいと思うはずです。

ではこのAD・広告料が多い物件とはどのような物件なのか!?

なんと、人気がない物件である事が多いです。

AD・広告料は物件の貸主(オーナー)が支払う報酬となります。

貸主が「早く入居を決めたい」「中々入居が決まらず焦っている」と考えている際に、多く出す傾向があります。つまり、全てがそうとは言えませんが「人気がない物件」の方が広告料が多いと言えます。

実際に人気の高い「新築」の物件はAD・広告料が少ないです。貸主からすると「新築で人気があるから、報酬が少なくても決まるでしょ。」と思っている訳です。貸主は入居が決まるのであれば支出であるAD・広告料は少ない方が良いのです。

AD・広告料が多い物件を成約するために、あえてデメリットを言わないなんてこともあるようです。

うーん…不動産屋のおすすめ物件が「怪しく」見えて来そうですね…

【自社管理物件】

不動産屋の収益の中に「管理料」があります。

この管理料はコンスタントに収益をあげやすく計算しやすい為、不動産屋はこのオーナーとの管理契約を守りたいという思いを持っています。そして管理契約が解約される理由としては「空室が多いこと」がダントツな為、不動産屋は自社で管理している物件を常に満室にしたいと思っています。

また、不動産屋の中には自社管理物件を成約した営業マンに多物件より多い歩合給を与えたりしています。

管理物件が多い不動産屋は、管理物件以外紹介しないなんてことも…

「お客様の希望」 < 「自社管理物件」 となっているのですね…

■不動産屋の選び方基準は!?

ではお部屋探しの際に不動産屋はどのような基準で選べば良いのでしょうか?

私なりの不動産屋選び方基準をお伝えしたいと思います。

①電話対応、訪店時の挨拶

通常どんなジャンルのお店であれ、電話で問い合わせをした際には「お電話有難う御座います。」お店に行った際には「いらっしゃいませ」と挨拶が返ってくるはずです。

不動産屋ではこの挨拶がしっかりと返ってこない事があります・・・。ぶっきらぼうな感じだったり、そもそも挨拶がなかったりなんて事もあったりします。

不動産屋では従業員が数名だけだったりという会社も多く、従業員の教育がしっかりとなされていない事も多いと思われます。

実際に私が不動産業界に入った時に、この「挨拶が明るくはっきりと出来る」という事だけで、他の営業マンとの差別化が図れていました。

全て当てはまるわけでは無いと思いますが、「挨拶がしっかりと出来る事」は従業員の教育がされている事や、その後の対応が丁寧である事につながると思います。

②情報の鮮度

お部屋の探しの物件情報は直ぐに入れ替わります。

特に1月~3月の引っ越しシーズンは午前中にまだ申し込みが入っていなかった物件が午後には他のお客様で申し込みが入り、入居出来ないなんてことも多いです。

ですので不動産屋はその物件がまだ空いているかどうか、常に確認しています。

不動産屋が見れる「 REINS(レインズ) 」「リアプロ」「各管理会社のサイト」などを確認し、物件情報の鮮度を保つよう努めているのです。

逆にこの鮮度が保てていない不動産屋はあまり良くないといえるでしょう。

問い合わせした物件がどれも申し込みされていたり、入居中だったりと紹介できない状態である不動産屋はお客様目線でない可能性が高いです。

③おとり物件・誇大広告を出していない

不動産屋の悪しき慣習に「おとり物件」「釣り物件」「誇大広告」というものがあります。

「おとり物件」「釣り物件」 は募集されていない物件を不動産情報サイトに掲載して、問い合わせをもらいその物件は「申し込み中」などと伝えて他の物件に振り替えていく慣習。

「誇大広告」とは「圧倒的、一番、完全、最高」など根拠なく物件をよく見せる不動産公正取引協議会による公正競争規約制度 にて禁止されているキャッチコピーを使う事です。

「おとり物件」「誇大広告」ともに不動産業界のルール違反です。

これを続けていると「at home」「SUMMO」「LIFULL HOME’S」等の不動産情報サイトに掲載できなくなるリスクがあります。

リスクがあるにも関わらずこれを続けているという事は、その不動産屋が「集客」「利益を上げる事」になりふり構わずになっているといえます。

こうした不動産屋には注意が必要です。

④デメリットを伝えてくれる

物件には絶対と言ってよい程メリット・デメリットがあります。

間取りがすごく良くても陽当たりが悪かったり、非の打ち所がないお部屋だったとしても家賃が高かったりと、どんな物件にもメリット・デメリットがあるはずです。

利益だけを考えている不動産屋はデメリットをしっかりと伝えてくれない事があります。

成約を考えすぎるあまり、デメリットを伝えたらこの部屋に決めてくれないかも…という心理が働いてしまうのでしょう。

引っ越し費用・入居費用などを払い、入居してその後少なくとも1年から2年は生活をするお部屋を探す際に、デメリットを説明してくれないのは嫌ですよね…

内見の際に「この物件のデメリットは何ですか?」と質問してみることをおススメします。

お客様目線の不動産屋はスラスラと答えてくれるでしょう。常に多数の物件を見ているので、比較してほぼ全ての物件デメリットを把握しているのです。

逆に、利益だけに固執している不動産屋は少し戸惑うこともあると思います。利益を取れる物件しか見ていないため、デメリットを把握していなかったり、このデメリットを伝えたら成約にならないかも…の心理が働いてしまうのです。

⑤希望条件ヒアリングの質

お部屋探しの際の希望条件は下記のように多岐に渡ります。

  • 家賃の予算
  • 間取り
  • 陽当たり
  • 家族構成
  • 勤務先
  • 駅までの距離
  • コンビニ、スーパー等の周辺施設
  • etc.

お客様目線の不動産屋はその希望条件をしっかりとヒアリングして物件紹介してくれるでしょう。

利益に固執している不動産屋は「AD・広告料が多い物件」「自社管理物件」などの物件を紹介しようと思っている為、希望条件のヒアリングはおざなりになる事が多いです。

不動産屋に行った際にどのように希望条件を聞いてくれるかは、重要な選び方基準となると思います。

■まとめ

お部屋探し時の不動産屋の選び方基準は

  • ①電話対応、訪店時の挨拶
  • ②情報の鮮度
  • ③おとり物件・誇大広告を出していない
  • ④デメリットを伝えてくれる
  • ⑤希望条件ヒアリングの質

だと思います。

この点を注意深く見ていけば、その不動産屋・営業マンが「不動産屋の利益だけを優先しているのか」「自分の希望条件にしっかりと向き合ってくれてるか」が分かるのではないかと思います。

引っ越し費用・入居費用などを払い、入居してその後少なくとも1年から2年は生活をするお部屋を探す際、より良い不動産屋・営業マンに出会いたいものです。

お部屋探し時の不動産屋の選び方基準、少しでも参考にして頂けたら幸いです。