中古住宅購入時の注意点と購入の流れ!

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空き家問題が取り沙汰されている昨今、 2018年4月より「安心R住宅」(特定既存住宅情報提供事業者団体登録制度) がスタートするなど、中古住宅の流通に関する取り組みが注目を集めています。

中古住宅には新築住宅よりもお値打ちな価格で、良い立地に土地建物を購入できたり、実際の建物を見て購入できるというメリットがあります。

ただしメリットがあればデメリットがあります。

今回は中古住宅購入の流れと共に、購入時の注意点を見ていきます。

①物件資料の確認・比較

中古住宅購入の際、まずは物件情報に触れる事となります。

様々なポータルサイトで物件情報を見たり、不動産屋に問い合わせをして物件資料をもらったりと、いくつもの情報を目にするため、どこに注目してよいか分からなくなるケースもあると思います。

物件情報を見る際に注目するポイントを挙げてみます。

□ 築年数

中古住宅を検討する際の注意点の一つに築年数があります。築年数ごとにポイントがあります。

【含有率5%を超える吹付アスベスト禁止 1975年】

アスベストとは断熱材等の建材に使われていた鉄鋼繊維の事です。肺がんや中皮腫を発症する発がん性が確認されております。

1975年(昭和50年)に「特定化学物質等障害予防規則の改正」によりアスベスト含有率5%を超える吹付施行が禁止されております。

1975年(昭和50年)以前の建物(主に鉄骨造、RC造)には含有率5%を超える吹付アスベストが使用されている可能性があります。

使用されていた際は解体工事等の費用が高くなったり、是正が必要となるデメリットがあります。

【建築基準法大改正 新耐震基準 1981年】

1981(昭和56)年5月31日までの建築確認にて建築された建物は、今の建築基準と比較して地震に弱いです。

具体的には今の建築基準では震度6強~7程度の揺れでも倒壊しない構造基準となっていますが、以前の旧耐震基準では震度5強程度の揺れで倒壊しないほどの構造基準になっています。

古い建物が良くないという訳ではありませんが耐震基準ですとか、その他にも設備や外壁等の経年劣化など注意する点が多くなります。

【含有率1%を超える吹付アスベスト禁止 1995年】

1995年(平成7年)に「労働安全衛生法施行令の改正」によりアスベスト含有率1%を超える吹付施行が禁止されております。

1995年(平成7年)以前の建物(主に鉄骨造、RC造)には含有率1%を超える吹付アスベストが使用されている可能性があります。

【建築基準法改正 2000年】

改正建築基準法が2000年(平成12年)6月1日施行されております。主に木造住宅に関してです。

2000年 (平成12年) 以降、木造住宅の地盤調査が事実上義務化されていたり、耐力壁や筋交い・ポールダウン金物など構造に関する詳細が明確化されました。

木造住宅に関しては築年月が2000年 (平成12年) 6月1日以前かそれ以降かで建築基準が変わっており、一つの目安となります。

【アスベストが含まれる建材禁止 2006年】

2006年(平成18年)の 「労働安全衛生法施行令」の改正 によりアスベスト含有率0.1%を超える建材が使用禁止となりました。

ですので、2006年 (平成18年) 以前の建物にはアスベストが含まれた建材が使用されている可能性があります。

吹付アスベストほどではないですが、こちらも解体費用等が高くなる要因となります。

【住宅瑕疵担保履行法 2009年】

2009年 (平成21年) 10月1日、 住宅瑕疵担保履行法が施行されました。

新築住宅事業者に対して、期間10年の瑕疵補修等がしっかりと行われるよう、保険や供託を義務付ける法律です。(※瑕疵とは隠れたく欠陥を意味します。具体的には雨漏り、基礎・構造体の不具合などが該当します。)

新築事業者が倒産した場合においても2,000万円まで、保険や供託により瑕疵補修費用が支払われるようになりました。

【住宅ローン控除の条件】

住宅ローンを利用する際、住宅ローン控除という制度を利用できます。10年間にわたってローン残高の1%を毎年所得税から控除できる制度です。

ただし中古住宅の場合は木造等の「耐火建築物以外」の建物は築20年以内、鉄筋コンクリート造などの「耐火建築物」の場合は築25年以内である事が条件となっています。

例えば借入額3,000万円・年収500万円の方の場合、10年間で200万円以上の控除を受けることもできますので、是非とも利用したい制度です。

住宅ローンを利用する際は、築20年(RC造等の場合25年)以内が目安となるでしょう。

□ 用途地域や前面道路接道など

都市計画や用途地域、地区計画などのその他の制限を見ることで、再建築する際の制限を確認できます。

中古住宅に含まれるのは土地と建物です。土地の価値に関係しますので「再建築する予定がないし関係ない」と思わずにしっかりと確認することをおススメします。

特に市街化調整区域や接道要件を満たしていないなど、再建築できない土地には注意が必要です。

他にも都市再生特別措置法に基づく立地適正化計画により「都市機能誘導区域」や「居住誘導区域」が設定されている市町村があります。その名のとおり都市機能や住居や誘導する区域であるため、その区域の今後の人口動向の目安となるかと思います。

②物件の内覧

気になった物件が見つかったら物件の内覧をする事をおススメします。

売主様が居住中のまま売却をしている物件などは遠慮してしまうケースもあるかもしれませんが、決して安い買い物ではないので室内の確認はしましょう。また居住中の場合は、家具の配置など参考になることもありますよ。

そんな物件内覧時の注意点をまとめてみました。

□ 外壁と屋根の確認

建物の修繕で特に費用が必要となるのが、外壁と屋根の修繕です。

一般的に外壁と屋根のは10から20年スパンで修繕が必要といわれてます。そしてその費用は100万円以上となる事も多いです。

ですので、建物の外観がどのような状態か、いつ修繕をしているのかなどを確認する事が重要です。

外壁が膨らんでいたらもちろん、コーキングといわれる外壁と外壁の間のゴムのようなものが痩せてきたりしてたら、修繕が必要となる事があります。

ずっと修繕をしていないようでしたら、工事業者に調査や見積もりを依頼するようにしましょう。

購入してすぐ工事が必要とならないようにしたいものです。

□ 雨漏れの確認

中古住宅の場合は雨漏れ等瑕疵の確認が必要です。

天井のクロスや、収納スペースの天井、窓と壁の継ぎ目などに染みが無いか確認しましょう。

染みがあった場合には売主に修繕をしているのかどうか確認しましょう。

また、陸屋根という平な天井の屋根の場合は防水が切れていないかも確認しましょう。防水がしっかりされていないと、雨水が侵入してくることもある為注意しましょう。

□ 傾きの確認

稀に施工不良や、不同沈下という地盤の傾きによって建物自体が傾いている事があります。

売主が知っている場合は告知義務で、伝えないと行けませんが気付いていない事もあります。

部屋の中を歩き違和感を感じたら、水平器という傾きを調べる器具が安価で売ってますので調べてみましょう。

傾きがあった際にも修繕する方法はあります。しかし高額な費用がかかりますので、購入に進む際も事前に知っておく必要があります。

□ 土地境界の確認

建物が既に建築されている為、土地に新たに建物を建てる時よりトラブルとなりづらいですが、やはり土地境界は確定されていた方が良いです。

境界標がない場合は確定測量をおススメします

売主の意向で確定測量が出来ない場合は、ブロック塀や植栽が越境していないか確認しましょう。

越境がある場合はその越境を解消するか、もしくは解消できない場合は「建物を建て替える際に解消する」といった合意書を隣地所有者と交わしておくと後々のトラブルを回避できます。

③購入申込書の記入・提出

気に入った物件が見つかり、内覧もして問題がなければ「購入申込書」という売主に購入の意思を伝える書面を記入・提出する事となります。

記載する内容は不動産屋によっても変わりますが、「住所」「氏名」「購入希望価格」「手付金」「ローン利用の有無」「その他条件」などが一般的です。

□ 価格交渉

この購入申込書を記入・提出する際に価格交渉をしていく事となります。

もちろん安いにこしたことはないのですが、あまりにも購入希望価格を低く記入しすぎると、売主にそっぽを向かれてそもそも購入出来ないとか、後からの購入希望者に順番を抜かされるなんてことも考えられます。

不動産慣習では価格交渉の上限幅は物件価格の10%程といわれております。

物件価格の10%以上交渉する際には、購入申込書を提出する前に不動産屋に売主の感触を聞くなどして、売主がそっぽ向くのか向かないのか確認をしてみるのも良いでしょう。

そうした確認をすることにより物件が購入できる可能性が高まります。

□ その他の条件交渉

購入申込書に購入希望価格以外の条件もしっかりと記載することをおススメします。

売主も不動産屋も後出しを嫌がります。価格交渉がとおってもその他の条件でダメになるなんて事が無いよう条件面は記載するようにしましょう。

主だった条件を下記に記します。

【ローン特約】

住宅ローンを利用する際は必須の条件です。

売買契約締結後、万一住宅ローン審査がおりなかった際に支払い済の手付金等のお金を返してもらい、そもそも契約をなかったことにしましょうという特約です。

現金で購入する際は良いですが、住宅ローンを利用する際は必ず条件に入れましょう。

【瑕疵担保責任】

物件購入後に「瑕疵」という売主の知らなかった不具合が発覚した場合、その補修を売主がするのか否か、そして補修をする際はその期間を定める事となります。

不動産屋が売主の場合は「宅地建物取引法」により瑕疵担保責任を2年間負いますが、売主が個人の場合は瑕疵担保責任を負わないケースもあります。

購入する際は、瑕疵担保責任特約があるに越したことはないので、購入申込書には「瑕疵担保責任3か月希望」などを記入していくと良いでしょう。

ただし、価格交渉と同様に 「瑕疵担保責任10年間希望」などと不動産慣習や売主の意向から離れすぎた条件を記入すると、そもそも物件が購入できない事にもつながるのでご注意を!!

それでも売主が瑕疵担保責任を負いたくないという場合は、リスクが少し残りますが、そのまま購入するか、もしくはホームインスペクション(建物状況調査)を実施しましょう。

ホームインスペクションとは住宅診断士という資格をもった専門家に住宅診断をしてもらうことです。建物の劣化状況や、欠陥、補修費用や今後の補修時期などを診断してくれます。

このホームインスペクションの費用は5~7万円ほどです。不動産という大きな買い物に関わる事ですので、売主がこの費用を負担してくれないケースはご自身で費用負担してホームインスペクションをすることも検討しても良いでしょう。

【確定測量】

物件内覧時の注意点でも触れましたが、確定測量図がなく、境界標もない場合は確定測量をすることをおススメします。そうすることで購入後の境界トラブルを回避できます。

購入申込書には「引き渡しまでに確定測量希望」などの条件を記入しましょう。

中古住宅の場合ですと、まだまだ確定測量をしない取引も多く、売主が費用負担があるなどの理由により、確定測量を拒む場合もあります。

その際は、売主に近隣とトラブル等がないかどうかしっかりとヒアリングしましょう。

売買契約の際に「物件状況報告書(告知書)」という売主から買主への告知する事項をまとめた書類も作成されます。その書類に近隣トラブル「無」と記載があることの確認も重要です。

【その他の条件】

上記以外の条件も購入申込書には記載していく事が出来ます。

中古住宅の場合は、経年劣化によるキズや損傷、給湯器・キッチン等の性能低下があります。ありのままでの引き渡しの現状有姿が基本ですが、売主に補修を求めていく交渉もする事が出来ます。

だたし、上記の交渉と同様に過度な交渉には注意が必要です。売主に失礼の無いように慎重な交渉をしていきましょう。

補修・修繕以外に自分の引っ越しに合わせた引き渡し時期の交渉なども出来ます。後からの条件交渉は嫌われますので、過度な交渉に気を付けながらもしっかりと希望を盛り込むことが必要です。

④住宅ローン事前審査

住宅ローンを利用する際は、購入申込書提出の後にローンの事前審査が必要となります。

住宅ローンの借り入れ上限は銀行によって異なりますし、車のローンなど他の借り入れが無い事が前提ですが 、年収の約7倍と言われています。年収500万円であれば3,500万円が上限基準となります。

ただし、重要なのは無理のない返済計画をたてる事です。毎月の返済額が現在の家賃を超えないようにするなど基準を決めて計画していきましょう。

また、金利も月々の返済額に影響してきます。事前審査はあくまで「事前」ですので審査通過した際に、絶対にその銀行を利用しないといけない訳ではありません。

2、3行の銀行へ事前審査を出して金利や諸経費など条件の良い銀行を選択していくと良いでしょう。

⑤重要事項説明、不動産売買契約

購入申込書での条件交渉、住宅ローンの事前審査を経て「不動産売買契約・ 重要事項説明 」となります。

売買契約当日に書面を提示されることもございますが、できる限り事前に書類を確認しましょう。

□ 重要事項説明の内容確認

物件資料に記載のない制限などの内容が重要事項説明書に記載がある事があります。

「高度地区」「地区計画」「埋蔵文化財包蔵地」「建築確認済証・検査済証の有無」etc.など不動産に関係する内容は多岐に渡ります。事前に確認して分からない内容は不動産屋に質問しましょう。

□ 特約内容の確認

特約とはその名の通り、売買契約書の中の特別や約束ですので、その取引に関する特別な内容が記載されることが多いです。

購入申込書で交渉・調整した内容が売買契約書に含まれているかどうか、その他に不利な特約がないかどうか確認が必要です。

不明な点があった際には売買契約時までに不動産屋に質問して確認するようにしましょう。

□ 手付金の支払い

書類の内容確認して、売主・買主共に記名・押印をした後に手付金の支払いとなります。手付金の相場は売買価格の10%ですが、10%より低い金額設定となることもあります。

⑥住宅ローンの本申し込み・ 金銭消費貸借契約

2、3行の銀行に事前審査を出した結果をふまえて決めた銀行に、住宅ローンの本申し込みを行います。同時に団体信用生命保険にも申し込みます。

事前審査を通過していれば、本申し込みでの審査で不可となる事はほとんどありません。必要書類を事前に確認・準備して望みましょう。

団体信用生命保険とは、住宅ローンの申込者に死亡、高度障害等の万一の事があった際に、住宅ローンが完済される保険です。

この保険料は銀行の金利に含まれることがほとんどです。少し金利があがりますが「がん保険」が含まれる団体信用生命保険もあります。「がん」と診断されたら住宅ローンが完済となります。

日本人の2人に1人は「がん」にかかると言われています。がん保険が含まれる団体信用生命保険を検討する価値は十分にあると思います。

住宅ローンの本申し込みから1週間後程で金銭消費貸借契約(ローン契約)を行います。こちらも事前に銀行担当者などに必要書類を確認して準備して望みましょう。

⑧残金のお支払い・物件の引き渡し

いよいよ物件の引き渡しです。大きなお金が動きますので少し緊張するかと思いますが、これまでに比べるとやる事は少なく、あっけなく終わると感じる方もいるかと思います。

大きな金額が動きますので銀行で行うことがほとんどで、銀行の応接室に「売主」「買主」「不動産屋」「司法書士」が集まります。

司法書士が物件の所有権を移転するための書類が揃っていることを確認、登記原因証明情報・委任状などの書類に記名・押印(実印)をした後、銀行が融資の実行をします。

その後、売主に残代金の支払い、不動産屋や司法書士に諸経費の支払い、鍵や設計図書などの引き渡しを受けて完了となります。

売買条件の中に売主負担での修繕・補修が含まれている際は、この引き渡し前に修繕個所を確認するようにしましょう。

■まとめ

中古住宅を購入する際の注意点は多岐に渡ります。また、一生に一度か二度の大きな買い物ですので失敗はしたくないものです。

今回記載した注意点、物件購入の流れを把握して中古住宅探しにのぞむ事で「こんなはずじゃなかった!」と後悔する可能性はかなり低くなると思います。

信頼できる不動産屋を見つけることも重要になってくると思います。親身になって物件探しをしてくれる不動産屋は強力な味方となってくれます。

少しでも参考になれば幸いです。